340ページ目 女性役員比率の数値目標導入

東京五輪組織委員会は女性理事を11人増やして女性比率を40%にする方針だそうです。

森元首相女性差別発言で男女共同参画の重要性がよりいっそう社会的に認知され何も動かないわけにはいかなくなったということでしょう。

五輪組織委員会に限らず政財官界社会全体、特に上層部ほど男女共同参画が進んでいないため民間企業でも女性役員比率について数値目標を導入しグローバルスタンダードに近づけていくべきだといった話もあります。

 

その一方で女性役員比率を設け女性優遇すること自体がそもそも差別である、株主や国民、社会全体の利益にとってあるべき人事は優秀な人材が役員になることであり老若男女で条件をつける必要はないといった反論も上がってきます。

鄧小平の白猫黒猫論はネズミを捕る猫が優秀な猫であり毛の色は関係ないという話でしたが実際に投資家や公的マネーの真の投資主である国民の利益のため年齢性別人種宗教等の属性で決めるのでなく能力で決めるのが本来あるべき役員人事であり能力的に自社の基準を満たす人材が見つからなかったため結果的に女性役員がいなかったといった声も聞こえてきそうです。

 

ただ実質的な選任を行っているのは組織のトップでありそのトップが考える「能力のある人材」というのが問題で役員就任に自ら手を上げる、意見を求めたら既存のおっさん役員にとって不都合なことを言う、飲み会の参加率が低い、といった女性を「能力がない人材」と評価し役員就任や発言を役員から求められても2回は辞退し3回目で役員の意の沿った発言を行う、7万円接待で話題になっている例の広報官のように飲み会は絶対断らない、おっさん役員に進んでお酌をする女性こそ「優秀な人材」と評価する場合はどうしようもないものがあります。

第二次世界大戦近辺で生まれた70代以上の高齢の役員の母親世代の社会がそういう価値観の社会だったので本人の母親のような人材が優秀な人材だと考えでもしたのでしょうか。

役員の属性がおっさん一色で多様性が失われ企業が硬直的になり変化に対応できないという状況もある以上、女性役員比率などで制度的に役員会の多様性確保を進めていかざるを得ないものがあるんじゃないかと思います。

五輪組織委員会で選ばれる女性がどういう人材になるかわかりませんが既存の高齢役員に忖度して結局何も変わらないということにならないよう社会全体の利益を考えてちゃんと選んでほしいものですね。